鯖江の老人ホーム〇〇荘にて、ビハーラ福井から出向しての花祭り。ビハーラ福井がこの施設とかかわりをもつようになってすでに20年近い年月が経つ。その間、施設も拡充され、設備もいよいよ充実してきた。スタッフの数も若い人を中心に増えている。
いつものパターンでホールに集まってこられた入居者の方々に甘茶の灌仏をしてもらい、すべて終わったところでお勤め・法話と続く。
先日の朝〇苑の花祭り同様、朗読劇を行う。ジャータカ物語が原典なのだろうか、日本の宇治拾遺物語にあるというある年齢に達したお年寄りを山に捨てる国の話。この劇のシナリオを持ってきたビハーラ福井の仲間Sさんは、捨てるという言葉を避けて「遠くにつれてゆく(家に置かない)」という表現に変えておられたが、実際入居しておられる皆さんの感情を考慮してのことである。
無論、話の展開は「お年寄りを大切にする」という方向に持ってゆくのであるが、このあたりのセリフの使い方に苦心のあとが見える。
かつての日本では、老人ホームは《姥捨て山》的な見方をされてきた歴史がある。入所者の方にもしホームに入ったことをそんな感覚で受け止めておられる方がおられるとしたら、この話も素直に受け止めてもらえないかもしれないことを思うと、言葉遣いや表現には細かい配慮が必要であろう。
この施設で、ビハーラ福井の今年の花祭り訪問施設は最後。来月から交代で定例日の法話会に出向することになる。