朝の新聞をみて驚いた。若狭のお寺が火事で全焼、住職が行方不明、焼け跡から遺体発見と。住職の名前をみて急いで寺院名簿で確認。
何ということだろう、同じ浄土真宗本願寺派のK師ではないか。西別院に確認の電話を入れたら、沈痛な声で「そのとおりです」との返事。
K氏は60歳半ば。別院などでお会いすると、福井に来て間もない自分にも当時からよく声をかけてくださった。
氏を知る人は皆さんが氏のお人柄に惹かれたのではないかと思う。穏やかで温厚な性格、そしてキチンと果たすべき役割を果たし遠い若狭から別院の会合や研修会には必ずといっていいほど顔を出しておられた。
午後になってFACEBOOK仲間の住職から、この事故の報告があった。ご遺体はK師のもの。本堂から出火、ご本尊を何としてでも火から護ろうとして本堂に飛び込み煙にまかれたものらしい。
この文章を書きながら、氏の行動に思いをめぐらしつつも目頭が熱くなる。
残されたご遺族の愁嘆いかばかりか。こんなときに吐く言葉の空虚さを思えうとき、人間の無力さを感じる。
氏の取られた行動と、残されたご遺族に対してただただ合掌、お念仏あるのみ。